KATEKYOグループ since1980 KATEKYO学院 青森KATEKYOグループ since1980 KATEKYO学院 青森

  • 0120-00-11110120-00-1111
  • メール

KATEKYO学院青森からのお知らせ

2024年7月26日

【大学受験】論理的思考のヒント#3「弁証法的昇華」【現代文】

皆さんこんにちは、青森県家庭教師協会・KATEKYO青森です。
本日は青森浪打校教務主任の直井が担当いたします。
前回の記事は▶こちら

何でも突き破る最強の矛とどんな武器でも貫通しない最強の盾を売る楚の国の商人に対し、
客は問う。
「その矛でその盾を突いたらどうなりますか。」
商人は顔を真っ赤にして逃げ帰る、という「矛盾」という逸話。
この例であればどちらかが「最強」であるということが嘘となってしまう。

しかし、「相対しながらもどちらも真である」事実があったとき、それはどうなるだろうか?


すべての人が「平等」であろうとする国の人が3人いる。
彼らの身長は「大」「中」「小」で、「中」「小」の人は高い塀の向こうを見ることができない。
そこで彼らに高台を与えることにした。
「中」に1つ、「小」に2つ与えると全員が「平等」に塀の向こうが見られる。
しかし、「大」がいう。
「俺にだけ高台をくれないなんて、ひどい不平等だ」と。


あちらを立てればこちらが立たず。
この場合、どちらかの意見を泣いて斬るしか選択肢はないのだろうか?

ドイツの哲学者ヘーゲルが見出した「弁証法」という方法がある。
人間が考えるものには必ず相反するものが存在する。それらが互いに議論でぶつかってより高次な考えに昇華させる、知識方法論だ。
「正」と「反」をポジティブに闘わせることで「アウフヘーベン(止揚)」が起こり、「合」すなわち自分の能力・知識を超えたものが生まれていく。

現代社会が抱える問題も、「正」「反」の二項対立で、それが互いに複雑に絡み合っている。
ジェンダーの問題、エネルギーの問題、少子化問題、などなど、
SDGsを達成していくために、現状の「反」をどう解決していくか、考えていく段階である。
これが、互いの否定をもって物事を進めようとすれば、何も進んでいかない。
「正」「反」が互いに矛盾点を指摘しながら、互いに内容を深めていく中で、
「合」=最善の解というより高次な解決策が見つかるだろう。

前回、現代文で頻出の論理構造として、「二項対立」を挙げたが、
その解決策として筆者がこの「弁証法的昇華」をもとに意見を提示することが多い。
「筆者はいったい何を言っているんだ?」と今まで思っていたキミは、
ぜひ「弁証法」という言葉を今日覚えていってほしい。


書いた人:青森東事務局 直井


青森県で中学受験、高校受験、大学受験、受験予備校といえばKATEKYO学院!
学習相談は時期問わず、いつでもお受けしておりますので、
まずはこちらからご相談ください。


▶︎お知らせ一覧へ